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喫茶ルーモア・隻腕のカシマ 童貞魔術師・山荘へ 「レンズ越しにぃ~ 切り取った景色をぉ~ 見つめてもぉ~ 真実とはぁ~ 心の目の中にぃ~ 映るものさぁ~♪」 ニット帽を被った男が カメラを弄りながら、のん気な歌声を響かせる 「おい……お前……」 「ん?……なんスか?……おぅッ?!随分ボロボロじゃないスかッ!童貞さんッ!!」 「……魔術師と呼べ、魔術師と」 「まぁまぁ、そんなコトいいじゃないスかぁ」 そう言いながら、カメラを構えて童貞魔術師をファインダーに収めようとする 「おいッ?!それで覗くな!……危ないだろうがッ!」 カメラを持つ男もまた都市伝説と契約した能力者だった 契約した都市伝説は、写真にまつわるもの 三人で写真を撮影するときには真ん中にいてはいけないという…… 真ん中で写真に写ってしまうと不幸になり、場合によっては死んでしまうというものだ 他にも、写真を撮られると魂を抜かれる等もある 「大丈夫ッスよぉ~、絵にならないッスから撮ったりしないッスよぉ~」 さらりと酷い事を言うが、本人に悪意はない * 「チッ……話が違うだろ……あの店、変なガキが一匹いただけだったぞ」 「ん~~?そうスか?結構な手練がいるって話だったんスけど……」 「……クソッ……契約者……ヒトを*しちまったよ……」 ルーモアでの事件から既に数日経っており、男の耳にも届いていた 発端は魔術師が都市伝説の居場所を聞いてきた為、男が教えた事にあるのだろう 正直なところカメラの男は、この先何度も付き合わされるのは面倒臭いので 相当な手練の集まる場所を教え、フルボッコにでもされてくればいいと思っていた だが、結果は予想とは大分違うものとなってしまった様だった 「……そりゃあ大変だったッスねぇ~……まぁ、しょうがないんじゃないんスか?」 「しょうがないだと?!」 「だって、そういうものでしょ?戦いなんスから……ヒトも死ぬッスよ」 「……お前……ヒトの命を何だと思っ」 「都市伝説にも意思はあるんスよ」 「だがッ!」 「オレはバカだから判らないッスよ、都市伝説とヒトの差が」 「……」 「だから、どうて……じゃなくて……魔術師さんのやった事は、今までと大して変わらないと思うッス」 「……チッ」 お前もか……そう言いたげな表情の魔術師 「で?……そのガキとやらにやられたんスか?」 「いや、この傷は別のヤツにやられた……危うく光にされるところだった……」 「光?」 「い、いや……何でもない」 手酷くやられた様だった……魔術師の表情は険しい 「ふ~ん……」 「クソッ……あの学生……(自分はもう童貞じゃないとでもいうのか?……)クソッ」 小さな声でボソボソと呟いている 「で?どうするんス?これから」 「しばらくは、どこかに隠れるつもりだ……」 「アテはあるんスか?」 「……無いからお前のところに来たんだよ」 「ぁ~……そうッスねぇ~~……まぁ、少しはオレにも責任あるッスからねぇ~」 「何処かあるか?」 「まぁ……ないことも……ないッス」 「もったいぶるなよ」 「魔術師さんは……桃、好きッスか?」 「はぁ?」 こうして、首塚の所有する山荘へと魔術師は居を移す * 前ページ次ページ連載 - 喫茶ルーモア・隻腕のカシマ
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「ミイラ兄妹」 どうもこんにちは。考古学研究部所属の真未伊 木乃(まみい もくのり)だよ どうもこんにちは。同じく考古学研究部所属の真未伊 未来(まみい みらい)よ 木乃「ねぇ未来」 未来「何、木乃?」 木乃「今日って10月28日じゃん?」 未来「そうねー。10月28日ね。こっちの世界では」 木乃「いや、こっちの世界とか言っちゃだめだよ! 確かに現実ではもう11月日だけど…」 未来「木乃だって現実ではとか言ってるじゃない」 木乃「ははは…。ま、とにかく。『マヤの予言』によると今日が世界の滅びる日じゃない?」 未来「そうね」 木乃「…やばくね?」 未来「やばいわね」 ちなみに、僕達は。私達は。双子です 木乃「どうしよ」 未来「どうしましょ…。あ、そうだ。晶髏先輩。晶髏先輩なら…」 木乃「ああ、水晶髑髏の先輩だね。でも、この前聞いたらまだ2個しか集まってないって言ってたよね…」 未来「そうね」 木乃「まずいよね」 未来「まずいわ」 ちなみに、僕達は。私達は。中央高校1年生です 木乃「…でもさ、ノストラダムスの大予言は外れたよね。1999年に人類滅亡ってやつ。そう考えると大丈夫なのかな?」 未来「でもここ学校町よ? 怪異と怪奇の溜り場よ? もはや町そのものが心霊スポットよ?」 木乃「…やばいね」 未来「やばいのよ」 木乃「学校町だからね」 未来「そうね。今都市伝説に襲われたって全くおかしくないもの」 『そうじゃな。そしてお前さんは死ぬ』 未来「そうそう、こんな感じで―――ってえぇ!? 『給食おばさん』!?」 『そう、その通り。『給食おばさん』じゃ。と、言うわけで…今日の給食の食材になりな!』 名乗るや否や、私―未来に向かって包丁を投げてくる『給食おばさん』。(未来に向かってなんて書くとすごく前向きに見えるのは私だけだろうか) 未来「! 『天狗のミイラ』!」 私の足元から、死体のような天狗―天狗のような死体が出現し、風で包丁を吹き飛ばす 『ちぃ、しくじったか。ならばこれだ!』 未来「!?」 『給食おばさん』の鍋から白い液体…シチューが飛んでくる 『今日のメニューはシチューになりまぁす! お残しは…許しまへんでぇ!』 未来「ッ! 『天狗のミイラ』!! 『人魚のミイラ』と『河童のミイラ』も行って!」 人魚のような死体と河童のような死体も召喚し、シチューを防ごうとする私。でも、液体のシチュー…屍チューは防ぎきれない! ちなみにこのミイラ達は私の契約都市伝説、『架空生物のミイラ』によって出したものなんだけど…。ああ、せめて雪女のミイラでも居れば…! そんな風に切羽詰まっていると、私に向かっていた屍チューは、突如凍ってボロボロ崩れた 木乃「『ミイラの呪い』。僕の存在も忘れないでよ」 今のは僕の契約都市伝説『ミイラの呪い』。その中でも、割と有名な呪いのミイラの『アイスマン』。それの『凍死説』を応用した技である 『ちぃ! またしても…! ならば直接!』 言うや否や、包丁を構えて私の方に向かってくる。まずい! ミイラ達は屍チューを防ごうとしてたから間に合わないし、唯一間に合うであろう天狗は体が折れてて動けない! それに私の運動神経のなさじゃあ間に合わない! ちなみに私の体育の成績は万年2! 唯一スタミナが人並み以下あるくらい! だけど、頑張って避けないと…! 未来「うぅ…!!」 体を横に動かし、避けようとした私だが、速く動くという能力もない『給食おばさん』の包丁がいともたやすく私の頬を掠める。痛いよぅ…! 『ひゃはひゃはひゃは! 弱い、弱いねぇ! さぁ、次はあんたの番だよ!』 今度は木乃の方に。僕の方に走ってくる『給食おばさん』。しかし… 『!? 体が…重い?』 さっきの動きが嘘のように、『給食おばさん』の動きが鈍くなる。だから、簡単に避けられる! 『何なんじゃこれは! あたしの、あたしの体が!』 未来「心配しなくても解説してあげるね、おばさん。『ミイラ取りがミイラになる』って知ってる? まぁ私の契約都市伝説なんだけど、 私が攻撃されたときに自動的に発動する都市伝説なの」 正確には、明確な敵意、殺意などを持って攻撃された場合、なんだけどね。 未来「そしてこの能力の影響を受けた者はみぃーんな! 私と完全に同じになる! 速さも、強さも、賢さも、器用さも、 能力も…。ちなみに契約都市伝説の能力を使えるのは人間だけだから、実質貴方は無能力ね。そう、外見以外の何もかもが私と同じステータスになる! さぁ、これで貴方は私に勝てなくなったわ。 日が経ったシチューのように。腐って溶け出した死体のように。ドロッドロの泥沼試合にしかならないわ。それでも続けるの? 降参するなら今のうちよ?」 『誰がするかよ…! 条件はあんたも同じだろう…! あのミイラ達もまともに動かせる状態じゃあるまい! そして、同じステータスなら…』 包丁を構え、私に向かって来る『給食おばさん』。 『武器を持っている方が強いに決まっているだろう!』 未来「しまっ…」 木乃「だから僕も居るってば。『ミイラの呪い』」 木乃が。僕が包帯で包丁を絡め取り、『ミイラの呪い』の能力で『給食おばさん』の足を地面に沈めて未来を。私を助ける 木乃「『ミイラの呪いでタイタニック号沈没』。割と有名な話だよね」 『く…あんた…邪魔を…するなぁ!!!』 『給食おばさん』が地面から足を抜き、僕を蹴ってくる。不意打ちだったから反応が遅れて避けきれなかったが、未来と同じステータスになっている蹴りなのでほぼノーダメージだ。 そして、蹴られたことで僕の体から包帯が飛び出し、『給食おばさん』を包み込んだ。そして… きゅうしょくおばさんは ミイラになっちゃった!▼ 『から…体が…カラカラに…乾燥…』 未来「何それ駄洒落?」 木乃「【審議中】」 未来「【審議中】」 木乃・未来「【否決】!」 木乃「それじゃあいこうか。『ミイラの呪い』、アイスマン!」 冷気を飛ばし、ミイラ化した『給食おばさん』を凍らせる僕。ちなみに僕の契約都市伝説も『ミイラ取りがミイラになる』だけど、未来のそれとは少し能力が違う。 それは、『自分に直接攻撃してきた相手をミイラにする』。つまり、ポケモンBWの特性『ミイラ』と同じような能力なのである 『あ…あ…お残…し…は…』 そしてついに、『給食おばさん』は顔まで凍った。僕は冷凍ミイラと化した『給食おばさん』を蹴飛ばし、バラバラに壊す 木乃「知ってるかい? 11月2日は死者の日なんだぜ?」 そう言って最後に、僕は『給食おばさん』の顔を踏み潰した 未来「ふぅ、疲れちゃったぁ」 木乃「そうだねぇ」 未来「それにしても、世界終焉は大丈夫かなぁ?」 木乃「まずいねぇ。晶髏先輩に相談してみようか」 未来「そうねー」 そんな風に10月28日。僕達は。私達は。世界の終焉を、終末を憂いながら。帰路へ就くのでした… 続く…
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さて、ここはとある住宅街の一角。小学校も近い。 そんなところを俺は今全力疾走している。――ある『爺さん』に追いかけられながら。 その日、俺は散歩をしていた。学校も休みで、正直やることもなく暇だったからだ。 散歩中に旧友にでも会えたならよかったのだろうが。待っていたのは最悪な出会いだった。 ―――――爺さんだ。 その爺さんは、向こうの道から歩いてきた。 傘を持った爺さん。降水確率0%と今日の朝の天気予報で言っていたにもかかわらず傘を持っている。 その傘を持った爺さんとすれ違おうとしたとき、爺さんはその傘を俺の脇腹に当てた。 厳密には、「つついた」のだが、それに反応してしまった俺は、爺さんのほうを向いてしまった。 ―――その瞬間だった。俺の前の地面がへこんだのは。 その爺さんは、傘の一振りでもって俺の前のコンクリートの道路をへこませた。 …ヤバイ。直感的にそう思った俺は走り出した。爺さんから逃げるために。 「ハァッ、ハァッ…なんて運動神経してやがんだ…!あの爺さん!」 10分くらい走っているのだが、さっきから爺さんは疲れる様子は全くない。 それどころか、塀の上を走ったり、電信柱をどんどんと飛び移るという人間離れしたことまでやってのける。 しかし、いくら昼下がりの住宅街といってもなぜ人がいないのか。いてもこんな状況で助けてくれるとも思えんが。 仮に交番へ「傘を持った爺さんが追いかけてくるんです」などと言っても笑われるだけに違いない。 …あの爺さんは、どうやら俺を見失ったらしい。俺の後ろに爺さんはいない。 非現実すぎる現実を頭の中で整理しながら俺はすっかり迷い込んでしまった住宅街から逃げる道を考えてながら住宅街の角をまがった。 「…ッ!」 そこには爺さんがいた。だが、よく見ると傘を持っていない。どうやら一般人らしい。俺は藁にもすがる思いでその爺さんに話しかけた。 「そこの爺さん、ちょっと助けてくれ。道に迷っちまって。」 「…フゥム…ずいぶんと疲れておるようじゃの、若者。」 「ちょっと人に追われててな。…急いでるんだ、早く大通りへの道を教えてくれ」 しかし、その爺さんは道など教えてくれず、違うことを話した。 「かさジジイに襲われたんじゃな…全くあのジジイときたら…」 「えっ!?かさジジイ!?」 「最近このへんに傘を持ったでんぢゃらすなじーさんが現れると聞いてな。そのジジイはわしの昔馴染みじゃからの。 久々に顔を見るついでに成仏させてやろうと思うてのぅ。」 「…成仏!?」 同年代の爺さん相手になんてことを言うのだろう。そんな事を思ったが、傘ジジイという名前に俺は昔の記憶を蘇らせ、それを爺さんにぶつけた。 「…かさジジイ…?あんなに凶暴な爺さんだったか?」 ―――傘ジジイ。晴れの日でも傘を持ってて、通り過ぎる人を傘でつつく。 雨の日にも現れるがなぜか傘を使うことはない。 子供のころ小学校で聞いた都市伝説だ。実際にいるとは思ってなかったが。 「昔は、な。今は傘に取り憑かれたただのもうろくジジイじゃよ。」 「…ところで、あんた一体何m」バコォオオォン! …俺の後ろで爆音が鳴り響いた。後ろに振り替えると、家のブロック塀が粉々になっていた。 そしてそこには傘を持った爺さん――「かさジジイ」が立っていた。 「話しとるひまはないの、若者」そして俺と爺さんは後ろへ走り出した。 「なぁ爺さん、アンタ何者なんだ?」 「この状況から助かりたいか若者!家に帰りたいか若者!」 「質問に答えろおぉぉぉぉぉぉ!」 そんなやり取りのうちにもかさジジイは俺たちに近づいてくる。 「生きたいか若者よ!それとも逝きたいか!」 「爺さんがそういう表現使うんじゃねえよ!生きてえよ!」 「ならば話は早い!わしと契約するんじゃ!そうすればわしがお前さんを手助けする!」 …契約?意味がわからない。どういう契約だよ。が、俺の口からは別の質問が出ていた。 「契約ってどうやんだよ!」「このハンバーグを食べるんじゃ!」 そういって出されたのは何の変哲のないハンバーグ。…食いかけ。 「…こんなん食うだけでいいのか!?そんだけで助けてくれるのか!」「ああ!じゃから早く食え!早くしないと両方とも逝ってしまうぞ!」 だからその表現をryと突っ込む時間もなく、俺はそのハンバークを口に入れた。 ――――ある日、家の車のフロントガラスにあり得ないものが張り付いていた。 それは、「ハンバーグ」。食べかけのハンバーグが張り付いていた。 当時、かさジジイとともに広まっていた伝説。わが町だけの伝説だと知ったのは中学時代に入ってだった。 「ハンバーグジジイ」――――車にハンバーグを張り付ける変な爺さんだ。 …フロントガラスのハンバーグ。俺のとって初めての怪奇現象だった 「お前が俺んちのフロントガラスにつけたのか!あのハンバーグ!」 「ほぅ、お前さんちにも行っていたのか。現役のころの時代がよみがえるわい。ほっほっほっ…」 「なつかしむ前に今はこの状況から助けてくれ!早く!」 正直もう危ない。傘が空を切る音がすぐそこで聞こえる。 「お前さん、ハンバーグを作ったことはあるか?ハンバーグの形を作るような動きをしてみよ。」 「…こうか?」昔調理実習あたりで作った記憶を必死で蘇らせながら手を動かす。 「…いい動きじゃ。…そろそろじゃ…」「…?おおぉぉ!?」 手が光り輝き、一瞬で手にハンバーグが生み出された。「おい!これでどう助かるんだよ!」 「あとはわしに任せい! ぬえぃ!”肉塊移動”!」 「ぶごわぁぇぁぃぅぇ!!?!?!??」 一瞬だった。俺の手からハンバーグか消えたと思ったらそれはかさジジイの顔に直撃していた。 「ほあぅえうおりkfぢうじゃぃ……」「久々じゃの、ジジイ。」 できたてのハンバーグの熱さにのたうちまわるかさジジイ。その横に立つハンバーグジジイ。 「全く…体もボロボロのくせに…無理しおってから…」 そう言いながらかさジジイにハンバーグを食べさせる。…そして、なぜかかさジジイが消えかけていく。 「わしは、まだ逝かん。じゃから、せめて冥土でばあさんと暮らせや。元気での。」 「あ…ぅ……」 そして…かさジジイという名の都市伝説はいま、消滅した。 「…で、爺さんいつまでついてくるんだ?かさジジイには会っただろ。」 「わしとおまえは契約を交わした者同士じゃからな。都市伝説と戦ってゆくことになる」「はぇ!?」 「そういえば話してなかったの。都市伝説と契約したものは悪い都市伝説と戦うことになる、と。」 「……へ?…てかアンタ悪い都市伝説の類じゃないのか?」 「フン、わしゃあまだぬるいもんじゃよ。あのジジイもな。ただあやつは傘に取り憑かれ、凶暴化しただけじゃがな」 「…で、俺にその凶暴な都市伝説と戦えと?」「拒否権はないぞ若者。それにおぬしはわしに借りがあるじゃろう?」 「……わかったよ、爺さん。戦うぜ。爺さんのハンバーグとともにな。」 とまぁ、こんなわけで俺の都市伝説との戦いはある晴れた日から始まった。 前ページ次ページ連載 - わが町のハンバーグ
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合わせ鏡のアクマ 12 「ネックと」 「RBの」 「「「ラジオde都市伝説ー!!」」」 「司会はいつもどおりネックおばさんと」 「・・・おっと、睡魔と戦いを繰り広げているRBがお送りする」 「RBさん、寝ないんですか?」 「ネックこそまばたきの回数が多いぞ。今回はさっさと終わらせるぞ」 「えー、P.N.『アイス大好き!』さんからの要望。 『姫さん一家の情報がほしい!』・・・あー、そういえば主要キャラの1人と2体以外はまだだっけ?」 「うむ、さっさと説明して終わろうじゃないか」 「はーい、では今から読み上げますかね」 * 姫さん 高校1年生、女。学年1の美少女であだ名は『姫』。けっこう自尊心が高い。 家族と暮らしている。一人っ子。家族から愛されてるけど、最近はちょっとうとましい。 成績優秀で身体能力も男顔負け。おまけに美人ってどこの完璧超人ですか? 未確認情報だけど契約者のこと気にしてるらしい。友達以上恋人未満? 姫さんのお父さん 娘を愛するあまり変な方向に向かってしまったお父さん。部長職とかそんな感じ。 身長も低いし童顔だ。でもはっきり大人だって分かるオーラが出てる。 あと貧弱オーラも出てるけど実は足が速い。でもケンカとか格闘技がからっきし。 契約者のことを「こんな子が娘の彼氏なら・・・」って思ってる。つまり合格ラインです、親公認です。 都市伝説とか知らないけど、娘が気にしてるから調べ始めるんじゃないかな・・・。 姫さんのお母さん 本編未登場だけど設定はあるので紹介されているお母さん。 働く女性、しかも上司系の職ついてるので収入も多いです。この両親のおかげで家は裕福なんですね。 夫とは対照的に長身、あと美人。ケンカは・・・しないよ?娘の格闘技術は独学です。 両親共働きだけど、娘へ愛情はたっぷり注いできた。夫ほどじゃないけど娘には恋を経験してもらいたいと思っている。 ※この設定はまだ編集中です。後から改変される恐れがあります。 * 「・・・だ、そうよ」 「眠いな・・・ああ、では終わろうか」 「「「ラジオde都市伝説、また次回をお楽しみに~」」」 「さて、メッセージが届いてます。 『見てるだけじゃつまらないぞ、連載とか気にせずみんなもっとバンバン書くんだ!』 だ、そうです。つまり見てる人も書けと。まとめる量が増えるでしょうに・・・ それではラジオde都市伝説、また放送できる日まで・・・・」 前ページ次ページ連載 - 合わせ鏡のアクマ
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裏方 とある町中の大通りに、一台のトラックが止まっていた。 運転席には誰もいないその車は、放置されたように道端で停止を続けている。 『――各員配置完了。いつでも行動に移れます』 『――目標補足。高速で移動していますが、恐らく問題はないでしょう』 そのトラックの荷台。 窓すらないその空間には、大量の機材が設置されていた。 何に使うかもわからないそれらは、色とりどりの光を発している。 『――逃走ルート、全て封鎖終わりました』 『――結界、構築完了しました』 その中で、男はヘッドセットを頭に引っ掛け情報端末を操作していた。 その耳には絶えず、散らばった各捜査員からの報告が入ってくる。 画面に表示された幾つかの色のついた点とその情報を、男は一つ一つ確認していく。 『周囲に「組織」の気配なし! 横やりを入れられる事もないでしょう』 その最後の報告に、男は唇を曲げてにやりと笑った。 ヘッドセットのマイクを口元に寄せて、各員へと命令を飛ばしていく。 「各員行動開始。迅速にかつ堅実に目標を捕縛しろ」 笑う男は、その着ているスーツとは合わない、青いジャンパーをその上から羽織っていた。 青いその地に白で大きく描かれた文字は、「捜査零課」 「よーし、今日こそは俺たちの手柄にするぞ! 『組織』なんかにいつまでも日本の治安を任せるわけにもいかんからなぁ!」 都市伝説を取り締まるため、自ら都市伝説と契約した彼らは、今日も都市伝説と戦っている。 【終】 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
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「コーク・ロアに支配された人間が、なぁ」 適当に獲物を物色した帰り、マッドガッサーは似非関西弁の女性と合流し、並んで歩いていた 時刻は、そろそろ深夜を回る こんな時刻に、ガスマスクの男が若い女性と並んで歩いていても通報されなこの街は、本当にありがたい 「爆やんも、二回くらい襲われとるやん?相当数が増えとるんちゃう?」 「…支配型で、支配している対象を増やしてるんだよな?だとしたら、あいつが狙われたのは完全に能力目当てだろ。コーク・ロアの能力で支配された状態でも、契約している都市伝説の能力は使えるからな」 …やはり、この街は危険か? いや、だが、同時にここまで動きやすい街はない ここを逃さない手はないのだ ……それに、魔女の一撃の契約者は、この街に住んでいるとある対象に、異様に執着している そっちの目的が叶うまでは、この街にいたいところだが… 「………だとしても、やばいかね?」 「…ヤバイんちゃう?」 …気配が 二人に、ゆっくりと近づいてきていた ざわざわと、何かが近づいてくる感覚 「…走るぞっ!」 「りょーかいっ!」 言うが早いか、二人は駆け出す しゅるしゅると、背後から迫ってきていた気配が、途端に隠す事をやめた 漆黒の闇の中、黒いそれが迫ってくる 「げ、この髪は…………うぉわっ!?」 「んみゃっ!?」 しゅるり 髪は、何時の間にか、二人の真正面からも迫ってきていて あっと言う間に、二人の体を絡めとった 「-------っ!!」 ごがっ!! 「マッドはん!?」 マッドガッサーの体が、塀に叩きつけられる その衝撃で、からんっ、と……被っていたガスマスクが、落ちた 「おや、こりゃまた……随分と、可愛らしい顔してたんだな」 すたん、と 塀の上に降りる影…髪をわさわさと不気味に伸ばす、黒服 「ってめ……」 「よぉ、また会ったな」 ニヤリ、その黒服はマッドガッサーを見下ろして笑った 髪は、完全にマッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛し、その動きを封じている 「あー、そんなに睨むなや。殺すんじゃなくて、お持ち帰りするよう言われてんだから……生け捕りとか、そう言う方針で行くならいくで、もっと早く決めとけってのな」 「生け捕りて……マッドはんに何する気や!?」 「さぁ?俺は聞かされてないし、っつか、具体的には聞きたくねぇや」 似非関西弁の女性の言葉に、その黒服は肩をすくめてみせた …生け捕りにしたマッドガッサーを、「組織」はどうするつもりなのか? 正直、考えたくもない 突然変異の個体、その特殊な研究対象を、「組織」がどうするか…考えなくとも、大体想像はつく 「…そう言や、マッドガッサーは生け捕りにしろって言われてっけど、その仲間に付いては指定受けてないな…どうすっかねぇ」 「!」 黒服が何気なく呟いたその言葉に、ぴくり、マッドガッサーが反応したように見えた …そうだ、マッドガッサーの仲間については、何も指示が出されていない つまりは、処分しろと言う事なのだろうな、と黒服は考えた 特に、「13階段」に対しては、そうなのだろう 「組織」の裏切り者で、しかも、あんまりよろしくない…今ではもうなかった事にされている計画の、生き証人のようなものだ 見つけ次第始末しろ、といわれてもおかしくない …個人的に、ちょっと可愛がった事もある対象だから、自分が「13階段」を追う事にはなりたくないものだ、黒服はそう考えていた ついでに……今、捕まえている似非関西弁の女性 そっちも、始末は勿体無いよなぁ さて、どうにかならないものか 考えていて……マッドガッサーが自分を睨みつけている事に、黒服は気づいた 「---っは、いいね、その目。人を殺した事がある奴の、殺意交じりの眼差し、ってか?」 はっきりとした、敵意、殺意 自分の大切なものを護ろうと言う、獣の目 今のマッドガッサーの眼差しは、そう言う目だった 「仲間が大切か?…………都市伝説の癖に、契約者でもない人間と仲良く、とは珍しいもんだ」 「お前だって、都市伝説だろうが」 「あぁ、そうだよ?」 そうだ、自分も、都市伝説だ くっく、と黒服は笑う 「元人間の…都市伝説に飲み込まれて、都市伝説と言う化け物になっちまった存在だよ?」 すたん、と塀から降りて、マッドガッサーに近づく 髪によって動きを束縛され、しかし、マッドガッサーは鋭く黒服を睨み続けていた …かつて、殺戮を行った経験がある者の、殺意の眼差し それを、黒服は真正面から受け止める 「どうせ、都市伝説なんざ、人間から見りゃあ化け物だ。そんな化け物と契約してくれる人間だって希少だってのに……その化け物と、契約もしてないのに、一緒に行動するような人間がいるなんてな。どんな手を使ったんだか」 「…ッマッドはんの事、悪く言わんといてや!」 あぁ、随分と慕われているじゃないか 都市伝説の癖に、化け物の癖に 俺はうまくいかなかったってのに、こいつはうまくいきそうだってかい? ……気に食わないねぇ? 「まぁ、そう言いなさんなや?……今、俺はあんたらの命を握ってる状態なんだぜ?」 「……彼女だけでも、放せ」 黒服を睨みつけたまま、マッドガッサーが低い声で告げてくる 完全に動きを束縛された何もできない状態だと言うのに、それでも護ろうとでも言うのか? 「嫌だ、って言ったら、お前さんはどうする?」 「…そう、だな」 …ぎりっ、と 束縛された腕を、マッドガッサーは無理矢理動かそうとする 無駄なことを 黒服は、マッドガッサーを束縛する力を強めていく 「無理に動かすと、腕が引きちぎれるぜ?」 「…マッドはん!」 ぎり、ぎり……と マッドガッサーが動かそうとするその腕を、束縛し続ける ……しかし 「-------っ、う、ぁ」 「っ!」 ぶちり 束縛していた黒服の髪を、半ば引きちぎるように…その腕に髪を食い込ませ、肉を、骨を切らせ出血しながら…マッドガッサーは、無理矢理に右腕をうごかした その指を、口元まで運んで ぴぃいいいいいいいい…………----------------- 高い、口笛の音が、周囲に響き渡った ひゅうっ、と 風の音が、辺りに響いて 直後、激風が黒服に襲い掛かった 「っく……!?」 立つ事すらままならない、激風 まるで、竜巻が自分の場所にピンポイントで直撃してきたかのようなその風に、黒服は体勢を崩した その拍子に、マッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛していた髪の力が、緩む 叫び声のような、何かの鳴き声が、風の音に混じって響く 再び襲い掛かってきた激風に、黒服は体を飛ばされ、塀に体を叩きつけられた 直後、目の前を…何か、巨大な、巨大な 鳥のような生き物が、通り過ぎていったのを、確認する 「ぐ……くそ、何だってんだ…?」 …風が、やんで マッドガッサーの姿も、似非関西弁の女性の姿も、消えていた 残っているのは、引きちぎられた髪の毛と……マッドガッサーが流した血痕だけだ 「…まさか、さっきのが…例の、巨大都市伝説か…?くそ、マジでマッドガッサーの仲間かよ」 舌打ちする 事実を確認できたのはいいが…これは、やっかいだ 今回は逃走に使用したようだが、あれに暴れられては洒落にならない 流石に、報告するしかないだろう 黒服はため息をついて、懐から携帯を取り出した 「怪我はないか?」 「うちは平気や…それより、マッドはん、腕」 「都市伝説だから平気だよ。後でジャッカロープの乳でも分けてもらうさ」 ぶらり、半ば使い物にならなくなった腕をぶら下げつつ、マッドガッサーは似非関西弁の女性にそう答える 彼女に怪我がなかった事実に、酷くほっとしている自身に、マッドガッサーは気づいていた 「なぁ、アレが、ひょっとして前に話とった秘密兵器?」 「あぁ。あいつがいりゃあ、いざとなりゃどこにでも逃げれるぞ」 「って、逃げる専用かいっ!?」 「約束なんだよ、荒事には手を出させないっつぅ」 ばさり 二人を逃がしたその巨大な存在は、翼をはばたかせ、高く、高く飛び上がっていっている それは、軽く見積もっても軽飛行機くらいの、巨大な存在 これがヘタに暴れれば、何がおきるかわかったものではないし…それこそ、本格的にあちこちの組織に目をつけられる 「マッドはん?…考え込むのもええけど、まずは早よ教会に入って治療しよや?」 「ん……あぁ」 …自分は、「組織」には生け捕りにされようとしている だが、仲間は…どうなるか、わからない それこそ、始末でもされかねない それを、改めて自覚する …だからと言って、今更計画を諦めるつもりもなく ……いや、半ば、その計画など、どうでもよくなってきているはずなのだが しかし、それを手放す気にもなれず 「…しばらく、潜むぞ」 「うん?……おおっぴらに動かん、って事?」 「あぁ、多少は動くが……ちまちまやっても、目をつけられていくだけだ…………一気に、やってやる」 それだけの知識を、自分は思い出している …この学校町を全体を、一気にガスで包み込んでやる その準備が、必要だ 「…後で、他の連中にも言うつもりだが………身を引きたくなったら、いつでも引けよ?俺がこれからやろうとしている事は成功するかどうかわからないし、何より…他の都市伝説契約者たちにかぎつけられたら、本格的に戦いになるだろうしな」 「……今更、何言うとるん」 苦笑してくる、似非関西弁の女性 …あぁ、本当に今更だな、と 感覚がなくなってきた右腕の事など忘れながら…マッドガッサーもまた苦笑したのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
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アンケートまとめ 避難所民その3 さんの場合 Q00. あなたは都市伝説を信じますか? あったらおもしろいよね Q01. あなたはどんな都市伝説が好きですか? 幼女!え?ちがう?それはフェチのところで答えろって? じゃあ・・・美少女! Q02. あなたがこのスレで好きな物語はなんですか? ホロウさんとルーモアさん Q03. Q02.のどこが好きですか? 騎士の過保護っぽさがツボだった。あんな兄が欲しい気がする。 ルーモアさんのおかげでショタに目覚めました。あとカシマさんもまたいい感じです!軍服いいですね! Q04. あなたがこのスレで好きなキャラクターは誰ですか? 上の方々とあと幼女と少女たち! Q05. Q04.のどこが好きですか? ・・・言う必要なんて、あるかい? Q06. あなたの契約したい都市伝説はなんですか? ハーメルンの笛吹!ガッポガッポですよ!? Q07. あなたのフェティズムを教えてください。 ぷにぷにしたその肢体のみでご飯十杯余裕です Q08. あなたの好きな曲を教えてください(ジャンルは自由です)。 民族調の音楽とか、あとテクノ系 Q09. 御感想、御意見など、御自由にどうぞ!! マッドガッサーいいぞもっとやれ! Q10. さっきからあなたの後ろにいる方はどなたですか? さまよえる同志諸君のどろどろした怨念が渦巻いておるわ Q11. あなたは赤/好きですか? 赤い狐よりも緑の狸の方が汁との相性がいいので好きです
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ーーーーちゃぽんっ 「まぁ、それぞれ役割というものが存在する故。どの問題も、おそらくは適任者が片付けると思うのだけれどね」 ちゃぽんっ。ちゃぷんっ 除染作業を終えた後、「先生」は一人ふらふらと学校街の中を歩き回っていた 川沿いをゆっくりと、白衣をひらめかせながら、携帯で誰かと会話しながら歩き続ける 「その点で言えば、「狐」関連は完全に適任者逹がいつでも動けるようにしている故。「狐」連中はもはや詰みだ。そもそも、この学校町で何かしら厄介事を越している時点で詰みだと言う事はさておいてね」 ちゃぽ、ちゃぽぽんっ ゆっくり、ゆっくりと 川沿いを歩きながら、「先生」は何やらぽいぽい、と川に投げ込んでいく 投げ込まれたそれらは、川に沈むことなくぷかぷか、ぷかぷかと浮かんでいた 「ピエロ連中関連も、「怪奇同盟」のトップの暴走案件も。「赤マント」大量発生から連なる子供の失踪事件も………どれも、場所がこの学校町であると言う時点で、私から見ればどうしようもなく、黒幕にとっては詰んでいる事態としか思えんがね。この街で何か起こそう等と、正気の沙汰ではない。自殺願望者か愚か者でもなければやらんわ。発狂中だった私とて、学校街は避けただろう」 ちゃぷん………っちゃぽん 「先生」が川に投げ込んでいるのは、瓢箪だった 中身の入っていない、蓋がされた瓢箪が。ぽいぽい、ぽいぽいと川へと放り込まれる ぷかぷか、ゆらゆら 沈むことなく瓢箪は浮かび、ただ流されていく 前方から何やら騒がしい声が聞こえてきているのだが、それを気に留めた様子もなく、「先生」はその作業を続け、携帯での会話も続けている 当然、まるで無警戒に、不用心に、喋りながら歩いているようにしか見えない「先生」にピエロ逹は気づく 悪趣味に笑いながら、そちらへと火を向けようと 「無茶言わんでくれ。私は非戦闘員だぞ?」 …ピエロ逹の様子が、おかしくなる 何やら苦しげに、酸素を求めるように口をぱくぱくとさせながら倒れ始めた バチバチと、「先生」の周囲に赤黒い光がのぼり、ピエロ逹の周囲の空気へとちょっかいをだす ピエロ逹の周辺だけ、酸素を延々と水素とくっつけて水へと錬成し、ピエロ逹へと呼吸を許さない ……いや、一人だけ、かろうじて死なない程度には呼吸を許されていた ギリギリラインの酸素濃度を維持された状態で、ピエロは倒れ込む 「私は、あえて言うなら「保険」のようなものだ。物語というものにおける問題の対処法を作者が考えついていなかった時、「こいつならどうにかできるだろう」と言うように用意されている手段の一つ。私の立場はそのようなものにすぎん。本来の正しい「主役」が存在するのであれば、私の出番等、モブも同然でしかないのだよ」 ちゃぽんっ 瓢箪を投げ込みながら、「先生」はかろうじて呼吸を許していたピエロへと近づき、その首根っこを掴んだ その細身からは信じられない力で、ずるずると路地裏へと引きずり込んでいく 「故に。今現在も、私はその「保険」としての役割をはたすべく、「保険」となりえる行動をとっているつもりだ。まぁ、私でも「保険」にならんようだったら、もういっそ「レジスタンス」から「奇跡」か「ピーターパン」でも呼んで…………あ、駄目?」 ぺいっ 路地裏の奥にピエロを投げ込みながら、携帯の向こう側の人物の言葉に「先生」は面白がっているように笑う 「ですよねー。知ってる。彼らを呼んだら、それこそ「物語」は台無しであろうて。「デウス・エクス・マキナ」契約者や概念殺しができるような者呼んだらそうなる。が、最終手段は本当、それだぞ?それぞれの「主役」に頑張ってもらうしかあるまいて。誰がそれかは知らんが」 す、と「先生」は路地裏に座り込む ぺふ、とピエロの頭を自分の膝の上に載せると、白衣の内側からメスを取り出した ……ばちばちと、「先生」から登る赤黒い光がピエロを包み込む 「あ、それじゃあ。今からちょっとピエロの頭の中覗くな。情報手に入り次第、リアルタイムで情報を送る故、すまんがそのまま繋いでおいてくれ」 いつもとおりの軽い口調でそう言いながら さっくし、「先生」はピエロの頭へとメスをいれはじめた バイクの轟音が鳴り響く ひかりをサイドカーに載せたまま、「ライダー」は東区に向かってバイクを走らせていた 彼女の身内が東区にいるようなので、そちらへと送ろうとしているのだ 途中、ピエロの石像の間をくぐり抜けながら、スピードを落とした様子はない 「さっきから、時々空がピカピカ光ってっし、派手にやってんなぁ」 半ば他人事のようにそう言いながら、「ライダー」は目的地へと向かう サイドカーに乗るひかりは、先程通り過ぎたピエロ逹の石像を見て……そうして、「ライダー」を見上げた 「あのね、おじちゃま……」 「あ、俺、ガールから見るとおじさん認定……まぁいいや。なんだ?」 「うん。えっとね。おじちゃまは、もしかして…」 ……何か、ひかりが言いかけて しかし、「ライダー」はそっと、それを制した 「やめとけ、ガール。契約都市伝説の力、今はヘタに使うな。あの場に居た、なんかロリコンの気配を感じなくもない奴。あいつの能力がガールの能力に思い切りカウンターかましてきそうな予感がする」 「おじちゃまは、それを感じ取っているのは能力じゃないの?」 「俺のは百%ただの直感だから、感知系やら何やらへのカウンターは刺さらないのさ」 悪戯っぽく笑い、そう答える「ライダー」 事実、彼の契約都市伝説は感知系の能力はない 本当に、直感で言っているのだ と、言うか、この男。そもそも直感頼りに動くことが多い それでなんとかなっているのだから、本能に基づいた直感がかなり強いのだろう 「それと……俺ん事も、あんま能力で探ったりしないほうがいいぜ。俺は別に構わないが、怖いおじさんとかが怒りに来るかもしれないからな」 「「レジスタンス」だから?」 「そう。内緒の事が一杯だからな」 少し、バイクのスピードが上がる 「少なくとも、今回この街で起きている多々の厄介事。その全てに「レジスタンス」は反逆する。そう覚えておいてくれりゃいい」 敵ではないのだ、と それだけは明確にしたいと言うようにそう告げながら、「ライダー」は夜の街にバイクを走らせ続けた 「………はい、駄目ー。ろくな情報ないね!そっちでも、情報引っ張り出そうと思わんほうが良いだろう。時間の無駄だ」 丁寧にピエロの脳みそを開き、ぐちゅぐちゅと引っ掻き回して探っていた「先生」だったが、お手上げというように携帯で話している相手にそう告げた 脳を開かれた状態になりながらも、ピエロは命をつながれていた しかし、感じているはずの痛みを喜んでいる様子もない ……何も、感じなくされていた 全ての感覚を、先に殺されている 指一本動かせず、ただか細く呼吸した植物人間のような状態だ 「歩きまわってる最中、他のピエロと明らかに違う動きをしている者がいくつかいた。恐らく「通り悪魔」の御仁辺りが、本拠地に戻ってそっちに放火するよう唆したのであろ。あの御仁、「悪魔の囁き」から教わって割合細かくその手の唆しできたはずであるし」 メスについた血やら何やらを拭い、白衣の内側にしまい込む そうしてから、「先生」はそっと、脳を開いたピエロを撫でた 撫でる手のひらからばちばちと赤黒い光が生まれ、ピエロの体はぐじゅぐじゅに溶けていく 「ピエロの情報探るなら、そうやって本拠地に向かっているピエロの後をそっとつけていって、本拠地突き止めるほうが早いやかもしれんね。ただ、危険度は洒落にならんと思う故、実行する場合は計画的にね」 ぐじゅぐじゅ、ぐじゅぐじゅと ピエロを溶かしきり、さて、と「先生」は立ち上がる 「では、私は引き続き、私がやるべき作業へと戻るよ。また何かあったら連絡してくれ」 誰と連絡しあっていたのやら、そのように会話を打ち切ると 「先生」は再び川沿いを歩きはじめ、川へと空の瓢箪投げ込んでいく 「……ひたえの瓢の、南風ふ吹けば……」 ゆるゆると、その口から歌のような、呪文のような言葉が漏れて ちゃぷりっ、川に浮かぶ瓢箪は、決して沈むことなくぷかぷか、浮かび続けていた to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
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あぁ、もう、羨ましいこった 都市伝説の癖に、人間と仲良しこよしな奴のこの多い事多い事 いや、契約してるんなら、まだいいんだよ 同僚の過労死候補の黒服と契約者二人とか、Tさんとか言う奴とその契約者とかな? そこら辺はいいんだよ、まだ …契約してもしてない癖に 人間と、仲良したぁね 羨ましいこったよ、まったく 都市伝説なんてのは、所詮化け物だ 人間とは違う生き物、人間から畏怖されるもんだろ? なのに、どうしてあんなに仲良しさんでいられるんだか まったく、羨ましい限りだよ、どんな手段使ったんだ? 俺だって そうやって、いたかったよ 彼女と、そうしていたかった そうできるんじゃないか、と信じていたさ 何もわからないままに、俺は何時の間にか都市伝説と契約していた しかも、俺の性格やらなにやらの関係で、ほぼ制御不能ときたもんだ 山ごもりしても何しても、俺の能力はいつまでたっても制御できずに そうしているうちに…俺は、都市伝説に飲み込まれた 「組織」とか言う存在の黒服に、なっちまったわけだ まぁ、それでもある程度記憶は残ってたし、思考パターンが変わった訳でもない …だから この姿で、彼女に会ってみたのだ この能力の事も素直に話そうとそう思った 大丈夫だ きっと、彼女なら受け入れてくれる …そう、勝手に思い込んでいた 「-------化け物!!」 彼女から浴びせられたのは、罵声 拒絶の言葉 変わった俺の姿を見て、俺の能力を見て 彼女は俺を化け物と罵って 気がついた時 目の前から、彼女の姿は、消えていた 代わりにそこにあったのは、血溜まり、肉片 そして、俺は返り血塗れで 考えなくても、わかった 俺は、彼女を殺してしまったのだ あの瞬間に、俺の心は壊れたのだろう 俺は狂ったのだろう そうして、俺は狂ったままだ 誰を殺そうが、心が動く事はない その癖して、エロい事にはちゃんと反応する まったくもって、壊れきってるじゃねぇか そうだ 俺は、身も心も化け物に成り果てたのだ もう二度と、人間になんざ戻れない ただの………化け物だ だからこそ 俺は、多分あいつらが羨ましいのだ 化け物の癖に、人間と仲良しさんでいやがる連中が 羨ましくて、憎らしいのだろう もう二度と戻れぬ、人間の頃の記憶を 彼女との、幸せな未来を夢見ていた頃の記憶を 嫌でも、思い出してしまうから fin 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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闇子さん 01 「はい、そうです。その廃校舎です」 いつものように連絡をすます。 といっても、相手先がどこなのか、詳しいことは知らない。 「早く…早く帰りましょう…」 うさぎちゃんの、この台詞もいつものことだ。 うさぎちゃんは泣いても可愛い。 「そうだね。お腹空いたし」 今日の晩御飯は何だろうか? うさぎちゃんの手料理に期待しつつ、帰路についた。 「あ、はい、わかりました。すぐに向かいます」 仕事が来た。なんでも近くの廃校になった学校に、「都市伝説」が生まれそうらしいのだ。 それの調査と、場合によっては退治が僕らの仕事だ。 「まったく…最近の小学生は携帯電話なんて物をもってるのね」 「だって、お母さんが最近物騒だから持ってなさいって」 「一昔前なんて、サラリーマンくらいしか持ってなかったものよ」 隣でぐちぐちと言っているのは闇子さん。僕のパートナー。 見た目は僕と同じくらいなのに、随分と大人っぽい雰囲気がする。 実際、僕の何倍も生きてる(?)のだから当たり前だろう。 「だいたい、その仕事ってのはどこから来てるのよ」 「んー…なんでも、いろんな都市伝説との契約者を集めて、 この町の都市伝説を管理する組織なんていうのらしいんだけど」 正直なところ、詳しくは僕も知らない。 闇子さんと出会ってすぐのころ、急に電話がかかってきて仕事が来て……… それで今にいたるわけだ。 「なによそれ、いい迷惑ね。 だいたい、こんな危ないことを、私達小学生に任せること自体がおかしいのよ」 「えー…と、闇子さんまだ小学生なの?」 「ずっと小学校のトイレにいたのよ。小学生でいいじゃない」 「……ここかぁ」 「ずいぶんとボロっちぃのね」 「廃校なんだから仕方ないと思うけど」 「とりあえず中に入りましょう」 「そ…そうだね…」 さっそく、僕達は校舎への侵入を試みる。 割れてる窓がけっこうあり、案外あっさりと入ることができた。 「…うわぁ」 なんというか…暗い… 明暗ではなく、雰囲気が暗い。 「さっさと探して帰りましょ」 そんななか、闇子さんは、なんてことないようにスタスタと歩いていく。 「闇子さん、怖くないの…」 「怖いわけないじゃない。あなたこそ何を怖がってるのよ」 「………お化け?」 「私だって同じようなものよ」 「だって闇子さんは…」 「私は?」 「な…なんというか……」 「何か言いなさいよ」 「もういいわ。さっさと終わらせましょ」 闇子さんはそう言うと再び歩きはじめた。 ああもう…僕の意気地無し… 「それにしても、いくらなんでも多過ぎると思わない?」 「なにが?」 「仕事よ仕事。いくらこの町の都市伝説が多いからって、こんなにすぐ見つけ出せるものかしら」 「なんでも凄腕の探し屋がいるらしいよ」 これも詳しくは知らないが、 とある契約者コンビが次から次へと都市伝説を見つけだしているらしい。 「ふーん…」 「何かいる」 先に見つけたのは僕だった。 「アレね」 闇子さんもすぐに見つけたみたいだ。 「……で、アレ何?」 「さぁ?」 なんとも形容しづらいものだった。 何かの塊。特に何かの形をしているわけではない。ただの塊。 「都市伝説に、まだなりきってないものみたいね。 おそらくは、噂としても何かがいる、としか広まってないんでしょう」 「あ、こっちに来たよ」 何かはわからない。ただ、良いものではないということはわかる……気がする 「人を襲ってはいるようね。まだ自身も定まってないというのに生意気」 「闇子さん、なに落ち着いてるの!逃げないと」 闇子さんは、はっきり言って強い都市伝説ではない。 今もなお有名な花子さんと違い、今ではマイナーな怪談のひとつでしかないからだ。 「そうね」 「ほら、がんばりなさい」 「…ぜぇ…だって…ぜぇ…かけっこは…にが…ぜぇ…苦手なんだもん」 僕達が今向かっているのは女子トイレ。 闇子さんの力を一番に発揮できる場所だ。 「もぅ、シャキッとしなさい」 そう言い、闇子さんは僕の手を掴んだ。 あっ、凄いドキドキする。走ってるとかそういうのじゃなくて。 なんだか力がわいてきた。 たぶん好きな子に手を握られてるからだろう。 「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」 息も絶え絶え、汗はダラダラだが、なんとか間に合うことができた。 「ふふっ、がんばったわね」 そんな僕の頭を闇子さんが優しく撫でてくれた。 がんばってよかったと切に思う。 ドンッ ドンッ 「何か」が女子トイレの入口を叩いている。 おそらく、闇子さんがドアを開けられなくしたせいで、入ってこれないのだろう。 「ここで一休み、といきたいところだけど… そうもいかないわ。今の私の力、弱いもの」 闇子さんがそう言い終わるのと同時に、 バキッ という音をたて女子トイレのドアが壊れた。 「ドアを壊しちゃって、わるい子ね。 先生に言っちゃうわよ」 そんな状況でも闇子さんは冷静だった。 何故なら、トイレは闇子さんの力が一番に発揮できるところだからだ。 「花子さんには負ける、悔しいわ」と言っていたが 「何か」は、呻き声をあげて近づいてくる。 なんとも形容しづらい呻き声だ。 「それにしても、あなた醜いわね。まさに汚物よ」 女子トイレの個室のドアが次々と開いていく。 「本当は便所紙以外は流しちゃいけないんだけど、今日は特別大サービスよ」 すると、「何か」は細々と分割され、便器に吸い込まれていった。 「はぁ…怖かった…」 「だから、何が怖いのよ。私だって同じようなものよ」 「だって闇子さんは…」 「私は…?」 「僕の友達だもん」 「そっ……そう」 プイッと顔を背け、そっけなさそうに返す闇子さんだが、 顔が真っ赤なので、照れているのが、まるわかりである。 そう、闇子さんはさみしがりやの女の子なのだ。 僕が初めて闇子さんと出会ったとき、 学校の友達と肝試しをしに、夜の学校の女子トイレに忍び込んだとき…… 他のみんなはすぐに逃げ出してしまったが、僕は怖くもなんともなかった。 だってそこにいたのは、 さみしそうに膝を抱えて座っている一人の女の子がいただけだったからだ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ